【記憶に残るものと残らないもの】

こんにちは!紙谷です。

みなさんは、今までの人生の中でどんなことが印象に残り、記憶として残っていますか?

12月もまだもう少しありますが、どんなことがあったか、今年の1年を振り返る方も多いかと思います。

今年はどんな年でしたでしょうか。1年は早かったですか?それとも遅く感じましたか?

どんなことに笑い、どんなことに苦しみ、どんなことに悲しみ、どんなことに喜びましたか?

また、それ以外にどんなことを覚えていますでしょうか。

 

感情と記憶は強く結びついている

一つ、面白い研究を紹介します。

https://www.nature.com/articles/s41562-022-01502-8

一般的に、感情を強く動かされた物事って、記憶に残りやすいですよね

感情的な記憶と脳の電気活動の関係性についての研究報告になります。

脳がどのように感情記憶を優先して記憶するかを調査
・頭蓋内脳波 (iEEG) 記録を受ける てんかん患者148人がエピソード記憶課題を実行
・「イヌ」や「ナイフ」といった感情をより想起させる単語は、「イス」のような中立的な単語よりも記憶されやすく、感情的な言葉をうまく記憶できたときには、扁桃体と海馬をつなぐ回路で高周波の神経活動(30〜128 Hz)がより多く見られた。中立的な単語の記憶課題においては、同部位の高周波活動は全くみられなかった。
・意図的に海馬へ高周波電気刺激を与えながら課題に取り組んだところ、感情的な言葉に対する記憶力が低下し、偏桃体-海馬の高周波神経活動も低下していた。
・うつ病患者にも、感情的な言葉に対する記憶力の低下と、偏桃体-海馬の高周波神経活動の低下がみられた。

つまり、情動の中枢である「偏桃体」と記憶の中枢である「海馬」は、密接に関わっており、

「感情」が記憶を強化する重要なピースとなっているということ。

また、うつ病患者はそもそも感情的な言葉を記憶しにくく、神経活動自体も乏しい。

ふむふむ。

とっても面白いですね。

脳も神経のネットワークのかたまりであり、「可塑的」な性質を持っています。

つまり、反復によって強化され、使われないことで「衰退」していくということ。

悲しい出来事にしろ、嬉しい出来事にしろ

「感情」が動かされることって、脳の神経活動や「記憶」を考えたときにはとっても大切だということですね。

記憶に残らないもの

そう考えると、「記憶」に残らないものがなんなのかも、おのずと見えてきます。

「残らないもの」というより

「残りにくいもの」といった方が正しいかもしれません。

ずばり

「あまり感情が動かされないもの」

です。

どうでしょう。

成程~と思いますよね。

「小さかった頃は1年がとても長く感じた」

とはよく聞きますが。

そう考えると、子供の頃は初体験のことが多くあり

新鮮で、物事に対して初めて感情を抱くということがほとんど。

その分、感情の振れ幅も大きく、記憶に残りやすい。

「思春期」とはよく言ったものです。

歳を重ねていくにつれて、「初めての体験や経験」が少なくなっていきます。

併せて「感情」が大きく動くことも。必然的に少なくなっていきます。

そうなると「記憶」に残りやすいことが少なくなり、年の瀬に1年を思い返してみたときに

「今年1年早かったなぁ」と感じる。

という具合になります。

記憶に残るものと、記憶の本質

つまり、記憶に残りやすいことというのは

「感情」が伴った経験や体験になります。

今年一年、みなさんはどのくらい「感情」を動かされた経験や体験をしましたか?

感情にはプラスなことばかりではなく、マイナスなこともあります。

「今年はマイナスな感情ばかりだった」という方もいるかもしれません。

辛いことも。悲しいことも。できるならば経験したくはないですが。

そういった経験があるからこそ、「楽しい」や「嬉しい」を大きく感じられるのも事実です。

繰り返しますが、脳で起こる神経ネットワークは「可塑性」を持っています。

神経科学的に見れば、記憶とは、その出来事に遭遇した際におこる神経の電気活動を、再現しているにすぎません。

それが記憶の「本質」です。

時間の経過とともに、思い起こす頻度が少なくなり、使われていた特定の神経ネットワークも使われなくなっていき、

感情とのつながりも薄くなっていきます。

なので、何歳になっても

たくさんの新しい体験や経験をして、新しい感情に触れていくことは

脳の神経ネットワークを活性化することに繋がっていきます。

幸福な人生の重大要素は「良い人間関係」である

ハーバード大学で84年間にわたり、「人生の幸福」について2000人以上を追跡調査した研究によると、

幸福な人生の重大要素は「良い人間関係」である。だそうです。

「感情的な記憶」は、人がなにかを決断するときや、その人の人柄を構成する重要な要素です。

よく

幸福な人生って何ですか?という質問に対して

「お金があること」や「好きなことをできる時間があること」

という答えを聞きますが。

「お金」も「時間」も「人間関係」もすべて大切です。

という答えもよく聞きますが。

科学的に証明されているのは、「人間関係」だけ。

そして「記憶」に重要な「感情」が動くのは

そこに必ず「人」が介在してしています。

なんだかそう考えると

明日から

もっと人に優しくできそうじゃないですか?笑

皆様にとって

日々経験する様々な感情と向き合ったり

「幸せ」について考える。

一つの参考になれば幸いです。

※余談ですが、「運動」が「記憶力」を高めることも科学的に証明されていますので。

船橋・津田沼・千葉で

・マシンピラティスに興味がある方

・痛みや姿勢の歪み、肩こりなどにお困りの方

・運動不足の方

は、ぜひwithに足を運んでみてください。笑

という宣伝で、今回のコラムは終わりとします!