「姿勢を良くしたいと思ってストレッチや運動を続けているのに、あまり変わった実感がない」
このような悩みを抱えている人は少なくありません。
姿勢改善というと、
「硬い筋肉を伸ばす」「弱い筋肉を鍛える」
といった方法がよく紹介されます。
もちろん、それらが役立つケースもあります。
ただし実際には、ストレッチや運動だけでは姿勢が変わりにくいケースが存在する ことも、運動学や神経生理学の分野で指摘されています。
姿勢は「意識」や「筋力」だけで決まるものではない

姿勢は、単に筋力や柔軟性のバランスだけで決まるものではありません。
私たちの姿勢は、視覚・前庭感覚・固有感覚といった感覚情報と、
それに基づく中枢神経系の制御によって成り立っています。
そのため、
「正しい姿勢を意識する」
「筋トレで支えを強くする」
といったアプローチだけでは、長期的な変化につながりにくいことがあります。
姿勢は静的な“形”ではなく、
無意識下で選択され続けている“状態” である、という視点が重要です【文献①】。
ストレッチや運動をしても姿勢が戻ってしまう理由

「運動した直後は少し良くなった気がするのに、気づくと元に戻っている」
このような経験がある人も多いのではないでしょうか。
これは、姿勢の“形”は一時的に変わっても、
姿勢を選択している神経的な制御が変わっていない ために起こると考えられています。
姿勢制御は、自動化された要素が強く、
意識的に修正し続けることには限界があります【文献②】。
そのため、
ストレッチや筋トレだけを繰り返しても、
日常生活の中で自然と元の姿勢に戻ってしまうケースがあるのです。
姿勢の問題は「腰痛」として現れることもある
姿勢の乱れは、見た目だけの問題にとどまらず、
腰痛や身体の不調として現れることも少なくありません。
実際に、
「姿勢を良くしようとして運動を始めた結果、
腰の違和感や痛みが強くなってしまった」
というケースも見られます。
腰痛と姿勢の関係や、
運動を始める前に注意しておきたいポイントについては、
こちらの記事で詳しく整理しています。
▶︎ ピラティスで腰痛が悪化する人の特徴|始める前に必ず知っておきたい注意点

姿勢改善がうまくいかない人の特徴①:評価をせずに方法だけ増えている

姿勢改善がうまくいかない人に多いのが、
自分の状態を整理しないまま、方法だけが増えていくケース です。
SNSや動画で見たストレッチやトレーニングを試し、
「これも違う」「あれも効かない」と方法を変え続けるうちに、
何が原因なのか分からなくなってしまいます。
姿勢や動作には個人差があり、
同じ方法でも結果が異なるのは自然なことです。
運動介入の分野では、
評価を行わずに方法だけを当てはめることの限界 が指摘されています【文献③】。
姿勢改善がうまくいかない人の特徴②:安定性や支持の問題が見落とされている

姿勢を整える際、
柔軟性や筋力ばかりに注目してしまい、
身体を支える安定性の問題 が見落とされていることがあります。
体幹や下肢の支持が不安定な状態では、
いくら「良い姿勢」を意識しても維持することが難しくなります。
姿勢制御と安定性は密接に関係しており、
安定した支持があって初めて、姿勢の変化が定着しやすくなるとされています【文献④】。
姿勢改善がうまくいかない人の特徴③:感覚のズレに気づいていない

姿勢改善では、
本人が感じている姿勢と、実際の姿勢がズレているケース も少なくありません。
自分では「まっすぐ立っている」と感じていても、
鏡や写真を見ると大きく違っている、ということがあります。
これは固有感覚のズレによるもので、
姿勢改善には感覚の再学習が必要になることがあります【文献②】。
感覚のズレに気づかないまま運動を続けても、
期待した変化が起こりにくい場合があります。
それでも姿勢が変わりやすくなる人の共通点

姿勢が変わりやすい人には、いくつかの共通点があります。
- 自分の姿勢や動作を評価してもらっている
- 動作や感覚も含めてアプローチしている
- 無理に「良い姿勢」を作ろうとしていない
個別性を考慮した介入や、
適切なフィードバックを伴う取り組みは、
姿勢変化につながりやすいことが示されています【文献③】。
姿勢改善を始める前に確認してほしいポイント
姿勢改善を始める前に、次の点を一度整理してみてください。
- どんな場面で姿勢が崩れやすいか
- 長時間同じ姿勢がつらくならないか
- 自分一人で修正できているか
これは「向いていない」と判断するためではなく、
より安全で効果的に取り組むための確認事項 です。
実際に、改善へ向けたアプローチを考える上でとても重要な要素にもなり得ます。
姿勢が変わらないのは、努力が足りないからではありません。
多くの場合、
取り組む順番や視点が合っていないだけ です。
ストレッチや運動を始める前に、
まず自分の状態を整理するという選択肢があることを、
ぜひ知っておいてください。
津田沼で、評価から行うパーソナルピラティスをお探しの方は、
こちらのページをご覧ください。
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- Shumway-Cook A, Woollacott M.
Motor Control: Translating Research into Clinical Practice. - Proske U, Gandevia SC.
The proprioceptive senses. Physiol Rev. 2012. - Hodges PW, et al.
Postural control and movement dysfunction. Spine. - Granacher U, et al.
Effects of core stability training on posture and balance. Sports Med.

