足首がグラつく感じがあったり、
立っていると不安定さを感じたりすると、
「この状態で運動して大丈夫なのだろうか」
と不安になるのは自然なことです。
運動したほうがいいと言われても、
踏ん張れない感じがあったり、
転びそうな感覚があったりすると、
かえって怖さを感じてしまう方もいると思います。
足首に不安定さを感じながら
運動を勧められたときに迷ってしまうのは、
身体の状態をきちんと感じ取れているからこそ
生まれる感覚です。
この記事では、
足首が不安定な状態で運動を勧められたときに
不安を感じやすい理由と、
運動する・しないを決める前に
整理しておきたい考え方についてお伝えします。
無理に結論を出す必要はありません。
まずは、判断材料を整理するところから考えてみてください。
足首は、身体の中でどんな役割を持っているのでしょうか?

足首は、
身体の中で唯一、地面と直接やり取りをする部位です。
立つ、歩く、方向を変えるといった動作はすべて、
足首を通して地面からの力を受け取りながら行われています。
足関節は、
距腿関節・距骨下関節・遠位脛腓関節など
複数の関節からなる「関節複合体」として働き、
荷重を受け止めながら、
安定性と可動性の両方を調整する役割を担っています【文献①】【文献②】。
そのため、
足首にわずかな不安定さがあるだけでも、
その影響は膝や股関節、
さらには姿勢全体へと伝わりやすい構造になっています。
足首が不安定だと、なぜ運動が不安に感じやすいのか

支えが不安定なまま動くことへの恐怖
足首が不安定な状態では、
- 踏ん張れない
- 力がうまく伝わらない
- 体重を預けるのが怖い
といった感覚が出やすくなります。
足部・足関節は、
身体と地面をつなぐ「力の出入り口」であり、
この部分が不安定だと、
動作そのものに不確実さが生じやすくなります。
実際、
足底にかかる圧力の分布や変化は、
歩行や姿勢制御、バランスと密接に関係していることが
報告されています【文献③】。
こうした構造を考えると、
足首が不安定なまま運動を行うことに
不安を感じるのは、ごく自然な反応だと言えます。
過去の経験が影響している場合もあります
足首に不安定さを感じている方の中には、
- 過去に捻挫をしたことがある
- つまずきやすい
- 疲れてくると安定しなくなる
といった経験をしている方も少なくありません。
足関節の外傷や不安定性は、
その後の運動制御や感覚入力に影響を残すことがあり、
無意識のうちに
「危険かもしれない」という判断を
身体が下している可能性も考えられます【文献②】。
「足首を鍛えればいい」と言われても、合わない場合があります

足首が不安定だと言われると、
「足首の筋トレをしましょう」
「足指を鍛えましょう」
と勧められることがあります。
もちろん、
筋力が必要な場面もあります。
ただし、
足首の不安定さは
筋力だけで説明できるものではありません。
足関節は、
- どのタイミングで使われているか
- 体重がどこに乗っているか
- 他の関節とどう連動しているか
といった「使われ方」によって
安定性が大きく左右されます。
足の構造的特徴(アーチの形状など)によっても、
力のかかり方や機能の現れ方は異なることが
報告されています【文献④】。
このような背景を整理せずに
「とにかく鍛える」ことを優先すると、
違和感が増してしまうケースもあります。
足首の不安定さと、膝や姿勢との関係

足首は、
身体の中でも特に「土台」に近い位置にあります。
そのため、
足首が安定しにくい状態が続くと、
膝や股関節で無理に支えようとしたり、
姿勢全体が崩れたりすることがあります。
一見すると
「膝の問題」「姿勢の問題」に見える場合でも、
足首の機能が関係していることは少なくありません。
特に距骨下関節の運動は、
歩行時の適応や荷重の調整に重要な役割を果たしており、
足部全体の動きと強く関連しています【文献⑤】。
ただし、
足首だけを見れば答えが出る、
というわけでもありません。
全身のつながりの中で
整理して考えることが大切です。
運動する・しないを決める前に整理しておきたいこと

足首が不安定なときは、
「運動したほうがいいのか、控えたほうがいいのか」
という二択で考えがちです。
ですがその前に、
次のような視点を整理しておくことが重要です。
どんな場面で不安定さを感じるのか
- 立っているとき
- 歩き始め
- 片脚になる瞬間
場面によって不安定さが変わる場合、
足首の「使われ方」が
関係している可能性があります。
疲労との関係はどうか
- 時間が経つと不安定になる
- 夕方になると踏ん張れなくなる
こうした変化も、
判断材料のひとつになります。
足首と向き合うときに大切な考え方

足首が不安定だからといって、
必ずしも
「運動してはいけない」
「すぐ鍛えるべきだ」
と決める必要はありません。
大切なのは、
- 今どんな状態なのか
- どこで不安定さが生じているのか
- 何から整理する必要があるのか
を把握したうえで、
選択することです。
足首もまた、
評価 → 整理 → 選択
という順番が大切な部位です。
まとめ|足首の不安定さは、身体からの大切なサインです

足首が不安定で、
運動するのが不安になるのは、
決して弱さや怠けではありません。
それは、
身体の状態をきちんと感じ取り、
無理をしないようにしようとする
自然な反応です。
無理に結論を急がなくても大丈夫です。
まずは足首に何が起きているのかを整理し、
そのうえで選択することが、
結果的に安心につながることもあります。
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【文献①】
Brockett CL, Chapman GJ. Biomechanics of the ankle. Orthopaedics and Trauma. 2016.
【文献②】
McKeon PO, et al. The ankle-joint complex: A kinesiologic approach to lateral ankle instability. Journal of Athletic Training. 2019.
【文献③】
Razak AHA, et al. Foot plantar pressure measurement system: A review. Sensors. 2012.
【文献④】
Hillstrom HJ, et al. Foot type biomechanics part 1: Structure and function of the asymptomatic foot. Journal of Foot and Ankle Research. 2012.
【文献⑤】
Ogihara N, et al. Subtalar joint kinematics defined by a rotational axis during walking. Scientific Reports. 2025.

