肩こりを運動で改善しようとして、逆に悪化するケースとは?

肩こりに悩み、運動やストレッチを試しても改善せず不安を感じている様子を表したイメージ

「肩こりには運動がいい」
「ストレッチやトレーニングを勧められた」

こうした話を聞き、実際に取り組んでみたものの、

  • あまり変わらない
  • かえって重だるさが増した
  • 続けるのがつらくなった

という経験がある人も少なくありません。

肩こりに対して運動が役立つケースがある一方で、
始める順番や前提を間違えると、逆に悪化してしまうケースがある
ということも、運動学・神経制御の分野では指摘されています。

ここでは、
「肩こり=動かせばよくなる」と考える前に知っておいてほしい視点を整理します。


肩こりは「肩」だけの問題ではありません

肩こりが肩だけでなく、首や胸郭、姿勢全体の影響を受けていることを示すイラスト

肩こりというと、
「肩の筋肉が硬い」「筋力が足りない」
と考えられがちです。

しかし実際には、肩こりは

  • 首や胸郭の動き
  • 姿勢のクセ
  • 呼吸や身体の使い方

といった要素が複合的に関わって生じることが多く、
肩は“結果として負担が集まりやすい場所” と考えられています。

そのため、肩そのものだけに対して
ストレッチや運動を行っても、
根本的な負担構造が変わらないケースがあります【文献④】。

肩こりの背景にある姿勢や身体の使い方については、
こちらの記事で整理しています。

▶︎ 姿勢改善がうまくいかない本当の理由|ストレッチや運動だけでは変わらないケース


運動やストレッチで楽になりやすい肩こりの特徴

肩や首を動かすことで一時的に軽さを感じている肩こりの例を示すイメージ

肩こりの中には、運動が有効に働きやすいケースもあります。

たとえば、

  • 動かすと一時的に軽くなる
  • 痛みよりも「重だるさ」「張り感」が中心
  • 姿勢を意識すると変化を感じやすい

といった場合です。

実際、頸部・肩の不調に対して
運動療法が一定の効果を示すことは
システマティックレビューでも報告されています【文献⑤】。

ただしこのレビューでも、
効果には個人差があり、すべての人に同じ方法が当てはまるわけではない
と明記されています。


運動で悪化しやすい肩こりの特徴

運動やストレッチによって肩や首の違和感が強くなっている様子を表したイメージ

一方で、次のような特徴がある場合は注意が必要です。

  • 動かすと違和感や張りが増す
  • 首や背中まで症状が広がる
  • 運動後に疲労感が強く残る
  • 続けるほど「できていない感じ」が強くなる

これらは、
筋活動の順序や姿勢制御が変化している状態である可能性が指摘されています【文献②④】。

この状態で運動量や強度を増やすと、
肩周囲が代償的に働き、
かえって負担が集中してしまうケースがあります。


肩こりに運動を「上乗せ」してしまうリスク

姿勢や身体の使い方を整理しないまま運動を重ねている状態を示すイラスト

姿勢や身体の使い方、
安定性や呼吸の問題が整理されていない状態で
運動だけを追加してしまうと、

  • 頑張っているのに変わらない
  • すぐ元に戻る
  • 続かない

といった状況につながりやすくなります。

研究では、痛みや不調がある場合、
筋活動パターンそのものが変化し、
「正しく動かしているつもり」でも代償が起きやすい
ことが示されています【文献①②】。

実際、運動を頑張っているのに変わらないと感じている人の中には
運動そのものが悪いわけではなく、
順番や前提が合っていなかった
というケースが少なくありません。

▶︎ ジムやヨガが続かなかった人へ|「運動が合わなかった」のではない理由


評価を行うと、肩こりの見え方が変わる

肩だけでなく全身の姿勢や動作を確認しながら状態を整理している様子を示すイメージ

肩こりを評価する際に大切なのは、

「どこが硬いか」ではなく、
「どこに負担が集まっているか」
を整理することです。

実際には、

  • 肩を触らなくても楽になる
  • 運動量を減らした方が調子が良い
  • 姿勢や動作を少し変えるだけで変化が出る

といったケースもあります。

これは、
肩こりが“肩の問題”ではなく、
全体の使い方の結果として現れているためです【文献③④】。


肩こりをきっかけに、整理してほしいこと

肩こりの原因や状況を整理しながら考えている様子を表したイメージ

肩こりがある場合、
いきなり運動を増やす前に、次の点を整理してみてください。

  • どんな場面で強くなるか
  • 動かすと楽か、つらいか
  • 自分で調整できている感覚があるか

これは「運動が向いていない」と判断するためではありません。
より安全で、合った進め方を選ぶための材料です。


まとめ

肩こりには、

  • 運動が役立ちやすいケース
  • 先に整理が必要なケース

の両方があります。

「動かせば良くなるはず」と思ってうまくいかなかった場合、
それは努力不足ではなく、
進め方や順番が合っていなかっただけかもしれません。

方法を増やす前に、
一度立ち止まって状態を整理する。

そんな選択肢があることも、
知っておいてください。

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  1. Cagnie B, et al.
    Physiological effects of deep cervical flexor training in patients with chronic neck pain. Manual Therapy.
  2. Falla D, et al.
    Altered muscle activation in patients with neck pain during functional tasks. Spine.
  3. Szeto GPY, et al.
    Electromyographic activity of the trapezius muscle during computer work. Ergonomics.
  4. Hodges PW, et al.
    Postural control and movement dysfunction. Spine.
  5. Gross A, et al.
    Exercises for mechanical neck disorders. Cochrane Database of Systematic Reviews.