「反り腰ですね」と言われてから、
腰を丸める意識や、腹筋を入れる意識を続けている。
それでも、
・腰が楽にならない
・むしろ股関節や背中がつらくなってきた
そんな感覚がある方も少なくありません。
ここでは、
反り腰=腰そのものの問題
という見方を一度外して、
身体全体の役割分担という視点から整理していきます。
反り腰=腰が動きすぎている、とは限らない

反り腰と聞くと、
「腰が反っている=腰が悪い」
と考えがちです。
しかし実際には、
腰そのものが“原因”ではなく、
他の部位の代わりに動かされている結果として
腰が反って見えているケースも多くあります。
姿勢は、
一つの関節や筋肉だけで決まるものではありません。
どこかが動かないと、
別の場所がその役割を引き受けます。
腰は、その“代償”が起こりやすい場所の一つです【文献①】。
股関節が使えないと、反り腰では腰が代わりに働く

本来、
立つ・歩く・脚を後ろに引く
といった動きでは、
股関節が大きな役割を担います。
しかし、
・股関節が硬い
・脚の付け根に力が入りにくい
・脚を動かしているつもりでも腰が一緒に動く
こうした状態では、
股関節の仕事を腰が引き受けてしまいます。
その結果、
腰椎の反りが強調され、
「反り腰」に見える姿勢が作られます。
これは、
腰が“頑張りすぎている”状態とも言えます【文献②】。
胸郭が動かないと、腰は安定できない

もう一つ重要なのが、**胸郭(肋骨まわり)**です。
呼吸や体幹の安定は、
胸郭の動きと深く関係しています。
胸郭が硬く、
呼吸が浅い状態では、
・体幹を安定させにくい
・上半身の動きを腰で支えやすくなる
といった状況が生まれます。
その結果、
腰を固めたり、反らせたりすることで
バランスを取ろうとすることがあります。
このような
体幹安定性の破綻と腰部代償の関係は、
運動制御の研究でも示されています【文献③】。
この点については、
▶ ストレッチしているのに体が硬いのはなぜ?|柔らかくならない人に多い原因と注意点
▶ 呼吸を意識しているのに楽にならない理由
▶ 安定しているとは、どういう状態なのか
といった記事でも、
「固める=安定ではない」という視点から整理しています。
「腰を直す」より、「どこが使えていないか」

反り腰という言葉に引っ張られると、
どうしても「腰をどうにかしなければ」と考えてしまいます。
しかし実際には、
・股関節
・胸郭
・感覚の入り方
・身体全体の連動
こうした要素の組み合わせによって、
姿勢は結果として現れます。
腰だけを見ていては、
本当に見直すべきポイントを
見落としてしまうこともあります。
だからこそ、
反り腰をどう直すか、の前に
どこがうまく使えていないのか
という整理が必要になります【文献②】。
自分の場合、どこを見るべきか迷ったら

ここまで読んで、
・腰を意識するほど違和感が増える
・股関節や背中にも不安がある
・運動を続けていいのか判断がつかない
そう感じた方は、
一度、全体を整理する視点を持ってみてください。
ここでは運動方法ではなく、
今の身体で運動してよいかを考えるための判断軸をまとめています。
▶ 運動していいか迷う人のための「身体の判断ガイド」
【体験のご案内】
津田沼で、評価から行うパーソナル・マシンピラティスを
体験してみたい方は、こちらからご確認いただけます。
-1024x576.png)
文献①
Panjabi MM.
The stabilizing system of the spine. Part I: Function, dysfunction, adaptation, and enhancement.
Journal of Spinal Disorders, 1992.
文献②
Sahrmann SA.
Diagnosis and Treatment of Movement Impairment Syndromes.
Mosby, 2002.
文献③
Hodges PW, Richardson CA.
Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain.
Spine, 1996.

