背筋を伸ばして、
姿勢を意識して立っている。
それなのに、
しばらくすると疲れてきたり、
腰や脚に違和感が出てきたりする。
「姿勢には気をつけているのに、どうしてだろう」
と感じたことがある方もいるかもしれません。
正しく立とうとしているのに、
身体に負担を感じると、
「やり方が間違っているのではないか」
と不安になることもあると思います。
ですが、
その違和感は決して不自然なものではありません。
この記事では、
見た目は整っているのに楽にならない理由と、
立ち方を考える前に
整理しておきたい視点についてお伝えします。
無理に答えを出す必要はありません。
まずは、身体の中で何が起きているのかを
一緒に整理してみてください。
「正しく立つ」とは、どういう状態なのでしょうか?

一般的に「良い姿勢」と聞くと、
- 背筋を伸ばす
- まっすぐ立つ
- 猫背にならない
といったイメージを持つ方が多いかもしれません。
もちろん、
見た目の姿勢が整っていることは
ひとつの目安になります。
ただし、
見た目が整っていることと、
身体に負担がかかっていないことは
必ずしも一致しません。
立っている姿勢は、
静止しているように見えて、
実際には常に微調整が行われています。
その微調整が
今の身体の状態に合っていないと、
「正しく立っているつもり」でも
負担が生じることがあります。
立っているとき、身体はどうやってバランスを取っているのか
立位で身体が倒れないようにするために、
私たちの身体は
無意識のうちにバランス調整を行っています。
バイオメカニクスの分野では、
このバランスの取り方に
いくつかのパターンがあることが示されています【文献①】。
足首を中心にバランスを取る場合

床が安定していて、
不安感が少ない状況では、
足首を中心とした小さな調整で
バランスが保たれやすくなります。
足首の動きによって
身体全体の重心を細かく調整するため、
比較的省エネルギーで立つことができます。
股関節を中心にバランスを取る場合

一方で、
- 不安定さを感じる
- 倒れそうな怖さがある
- 足元に自信が持てない
といった状況では、
股関節を大きく使って
身体を支えようとする反応が起こりやすくなります。
このようなバランスの取り方は、
決して悪いものではなく、
身体が身を守るための自然な反応です。
研究では、
外からの揺れや支持面の不安定さが大きくなるほど、
股関節を使った戦略が選ばれやすいことが
報告されています【文献①】。
バイオメカニクスでは、
こうしたバランスの取り方を
アンクルストラテジー、
ヒップストラテジー
と呼ぶことがあります。
ただし、
大切なのは名称ではなく、
今どのような支え方が選ばれているか
という点です。
「正しく立っているのに楽にならない」理由

姿勢を意識して立っているのに
楽にならない場合、
- 足首よりも股関節が過剰に働いている
- 常に力を入れて支え続けている
- 固めることで安定しようとしている
といった状態になっていることがあります。
これは、
「姿勢が悪い」からではなく、
今の身体が安心できる支え方を
選んでいる結果とも言えます。
そのため、
見た目だけを整えようとして
無理に姿勢を作ると、
かえって疲れやすくなることもあります。
立ち方と、足首・膝・姿勢全体のつながり

立ち方は、
足首・膝・股関節・体幹が
連動した結果として現れます。
足首が不安定な状態では、
股関節や膝が
代わりに頑張って支えようとすることがあります。
その結果、
- 膝に負担を感じやすくなる
- 姿勢を保つために力みが増える
- 長時間立つと崩れやすくなる
といった反応が出ることもあります。
立ち方そのものを直そうとする前に、
どこで支えが変わっているのかを
整理することが大切です。
「正しい立ち方」を探す前に整理したいこと

立ち方に違和感があるとき、
「正解の立ち方」を探したくなるかもしれません。
ですが、その前に
次のような点を整理しておくことが
判断の助けになります。
どんな場面で負担を感じるのか
- 立ち続けたとき
- 待ち時間
- 仕事や家事の最中
時間が経つとどう変化するか
- すぐに疲れる
- 徐々につらくなる
- 夕方になると崩れる
これらはすべて、
身体がどのように支えを選んでいるかを
考えるヒントになります。
立ち方を考えるときに大切な視点

立ち方に関して、
- 正解はひとつではありません
- 見本通りに真似る必要もありません
大切なのは、
今の身体に合った支え方かどうかです。
足首を使ったほうが楽なのか、
股関節を使ったほうが安心なのか。
それは、
評価して整理しなければ
分からないことも多くあります。
立ち方もまた、
評価 → 整理 → 選択
という順番で考えることが大切です。
まとめ|立ち方の違和感は、身体からのサインです

正しく立とうとしているのに
身体に負担を感じるのは、
努力が足りないからではありません。
それは、
今の身体が
「こう支えたほうが安全かもしれない」
と判断しているサインでもあります。
無理に姿勢を修正しなくても大丈夫です。
まずは、
どこで支えが変わっているのかを整理し、
そのうえで選択することが、
結果的に安心につながることもあります。
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【文献①】
Horak FB, Nashner LM.
Postural strategies associated with somatosensory and vestibular adaptation.
Journal of Neurophysiology. 1986.

