ピラティスで首の前がつらい理由|腹筋で首が疲れる人の共通点

ピラティス中に首の前がつらくなる様子|深層頸屈筋の不活性と代償パターン

「ピラティスをしていると首の前が痛い、腹筋で首ばかり疲れる」
そんな相談は少なくありません。

ピラティスをしていると、

  • のどの奥が張る
  • あごの下がだるい
  • 仰向けの腹筋で首の前が焼けるように疲れる
  • 呼吸を意識すると首が固まる

そんな感覚が出ることはありませんか?

多くの人はこのとき、

「フォームが悪いのでは?」
「腹筋が弱いのでは?」
「自分にピラティスは合っていないのでは?」

と考えます。

ですが実際には、
問題はフォームそのものではありません。

多くの場合は

“安定させる順番”の問題です。


なぜ「首の前」がつらくなるのか?

首の前がつらくなる背景には、
深層筋が働かず、表層筋が代償している状態があります。

本来、頭部を安定させる主役は
**深層頸屈筋(longus colli / longus capitis)**です。

深層の頚屈筋である頭長筋、頚長筋のイメージ

慢性頸部痛のある人では、
これらの深層筋の活動低下が報告されています(Jull et al., 2008)。

その結果、代わりに働きやすくなるのが
**胸鎖乳突筋(SCM)**などの表層筋です。

胸鎖乳突筋のイメージ

胸鎖乳突筋は

  • 首を曲げる
  • 回旋させる
  • 呼吸を補助する

という機能を持ちます。

しかし、
本来“補助”であるはずの筋が主役になると、

首の前が過剰に疲労しやすくなります。


首の前がつらくなる人に共通する3つの特徴

① 深層屈筋が働かず、表層筋が頑張っている

仰向けで顎が浮く姿勢|深層頸屈筋が働いていない例

仰向けで顎が浮く
ロールアップで顎が前に出る

こうした動きが見られる人は、
深層筋の安定が不足している可能性があります。


② 胸郭が硬く、呼吸補助筋に依存している

呼吸で鎖骨が大きく動く姿勢|呼吸補助筋優位のパターン

呼吸で鎖骨が大きく動く
吸うたびに首が緊張する

このような人は、
横隔膜よりも首まわりの筋で呼吸している可能性があります。

胸郭の可動性が不足すると、
呼吸補助筋が過活動になり、
首の前の疲労につながります。


③ 体幹より先に首で支えている

腹筋中に首が前に出る姿勢|体幹より先に首で支える代償動作

腹筋系エクササイズで、

「お腹より首が先に疲れる」

この場合、
体幹の安定より先に首で姿勢を支えている可能性があります。


よくある誤解

× フォームが悪い
× 腹筋が弱い
× ピラティスが合っていない

本質は

どの筋が、どの順番で働いているか

です。


こんな人は一度立ち止まって考えてみてください

  • 仰向けで顎が自然に浮く
  • 呼吸を意識すると首が固まる
  • 首の前にピリッとした痛みが出る
  • エクササイズ後に頭痛が出る

このような場合は、
“頑張り不足”ではありません。

からだの使い方の順番を整理する必要があります。


続けていい?やめるべき?

続けてよい可能性が高い場合

  • 軽い筋疲労のみ
  • 翌日まで残らない
  • 動きを変えると軽減する

一度評価した方がよい場合

  • しびれを伴う
  • めまいがある
  • 頭痛が増強する
  • 痛みが回数を重ねるごとに強くなる

「今の状態で運動を続けてよいのか迷う」

その場合は、
こちらのガイドで整理しています。

👉 運動していいか迷う人のための「身体の判断ガイド」


首の前がつらい人が最初に考えるべきこと

ピラティスを続けてよいか判断する場面|首の違和感の見極め

エクササイズを増やすことではありません。

まず整理すべきは

  • 胸郭の可動性
  • 呼吸パターン
  • 深層頸屈筋の安定

首の問題は、
首単体の問題であることは少なく、
全体の安定順序の問題であることがほとんどです。

首全体のタイプや動作別の違いを知りたい方は、
こちらの総合ガイドも参考にしてください。

👉 ピラティスで首に力が入るのはなぜ?|総合ガイド

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