~ ピラティスを始める前に知っておいてほしいこと ~
「身体を良くしたい」
「運動を始めたい」
そう思ってピラティスに興味を持つ方は、年々増えています。
一方で、
すべての人にピラティスが最適な選択とは限らない
というのも、理学療法士としての正直な実感です。
この記事では、
ピラティスが向いていない可能性がある人の特徴を、
科学的な視点も交えながらお伝えします。
これは否定ではなく、
遠回りをしないための判断材料として書いています。
ピラティスが向いていない人①

とにかく「運動量・強度」を最優先したい人
- 汗をたくさんかきたい
- 短時間で追い込みたい
- 強度の高いトレーニングを求めている
こうした目的が最優先の方にとって、
ピラティスは物足りなく感じることがあります。
ピラティスはMCE(Moter Control Exercise)という
姿勢や動作の質を高めることを主目的とした運動であり、
消費カロリーや強度を最優先に設計されたものではありません。
実際、システマティックレビューでは
ピラティスは筋持久力や柔軟性、姿勢改善には有効である一方、
高強度トレーニングや有酸素運動と比較して、
体脂肪減少効果において明確に優れているとは言えない
と報告されています。
👉 参考文献
- Wells C, Kolt GS, Bialocerkowski A.
Defining Pilates exercise: a systematic review.
Complement Ther Med. 2012
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22257561/
ピラティスは「ダイエット特化型」の運動ではありません
ピラティスによって、
- 体幹機能
- 姿勢制御
- 身体認識(ボディアウェアネス)
が向上する可能性は、多くの研究で示されています。
一方で、
短期間で体重を落としたい・消費カロリーを最大化したい
という目的においては、
- ウォーキング
- ランニング
- サーキットトレーニング
など、他の運動様式の方が適しているケースもあります。
ピラティスは
「痩せるための運動」というより、
身体を整え、結果として体型や動きが変わっていく運動
と捉える方が現実的です。
👉 参考文献
- Cruz-Ferreira A, et al.
Effects of Pilates-based exercise on physical self-concept and health status.
Women Health. 2011
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21391124/
ピラティスが向いていない人②

「筋肉を大きくしたい」「ムキムキになりたい」人
ピラティスでは、
- インナーマッスルの活性化
- 筋持久力の向上
- 協調性の改善
といった効果が期待できます。
一方で、
**筋肥大(いわゆる見た目として筋肉量を増やすこと)**を
主目的とした場合、
ピラティスは最適解とは言えません。
研究では、
ピラティスによって筋力・筋持久力が向上することは示されているものの、
最大筋力や筋肥大に関しては、
高負荷レジスタンストレーニングの方が効果が大きい
とされています。
👉 参考文献
- Kloubec JA.
Pilates for improvement of muscle endurance, flexibility, balance, and posture.
J Strength Cond Res. 2010
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19924009/ - American College of Sports Medicine.
Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults.
Med Sci Sports Exerc.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19204579/
そのため、姿勢改善だけでなく
- 見た目として筋肉量を増やしたい
- 最大筋力を高めたい
という目的が強い場合は、
ウェイトトレーニングとの併用が現実的な選択になります。
ピラティスが向いていない人③
評価や説明は不要だと感じる人
パーソナルピラティスでは、
- 姿勢
- 動作
- 可動域
- 左右差・代償動作
といった評価をセッション内で行いながら進めます。
「説明はいらない」
「とにかく動きたい」
という方にとっては、
こうしたプロセスが煩わしく感じることもあります。
ピラティスが向いていない人④
すぐに“結果だけ”を求めたい人
身体の変化には個人差があります。
- 1回で感覚が変わる人
- 数回で日常が楽になる人
- 時間をかけて安定していく人
さまざまです。
「◯回で必ず治る」
「すぐに変わらないと意味がない」
こうした期待が強すぎる場合、
ピラティスは合わないと感じてしまうかもしれません。
それでもピラティスが向いている人

一方で、次のような方には
ピラティスはとても相性が良いと感じています。
- 痛みや不調の原因を知りたい
- 姿勢や動きを根本から整えたい
- 闇雲に運動するのは不安
- 自分の身体を理解しながら進めたい
こうした方にとって、
ピラティスは「運動」以上の価値を持ちます。
withが大切にしていること
からだ機能改善サロンwithでは、
「ピラティスをすすめること」自体を目的にはしていません。
大切にしているのは、
- 今の身体の状態
- 目的
- 生活背景
を踏まえたうえで、
その人にとって本当に必要な選択肢を一緒に考えることです。
そのため、
「今は別の方法の方が良い」とお伝えすることもあります。
次に知ってほしいこと
この記事を読んで、
「評価って、具体的に何をしているの?」
「なぜ順番が大事なの?」
と感じた方は、
次の記事も参考にしてください。
▶ ピラティス前の「評価」とは何をしているのか?
|理学療法士が見ているポイント
始める前に考えてみてください

ピラティスが合うかどうかは、
「流行っているか」
「有名か」
ではなく、
「今の自分に何が必要か」
で決めることが大切です。
この記事が、
ご自身の身体と向き合うための
一つの判断材料になれば幸いです。
からだ機能改善サロンwith
代表 紙谷航平
参考文献
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22257561/
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21391124/
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19924009/
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19204579/

