ピラティスで膝の痛みが悪化する人の特徴

ピラティスで膝の痛みが悪化する人の特徴|やり方ではなく身体の状態と順番の問題

― やってはいけないのではなく、順番の問題 ―

膝の痛みを改善したくてピラティスを始めたのに、
「終わったあと、膝が重い」
「翌日になってから痛みが強くなった」
そんな経験はないでしょうか。

このとき多くの方が、
「膝は動かさない方がいいのでは」
「鍛えた方がいいと言われたけど不安」
と、判断に迷います。

ですが、ここで一度立ち止まって考えてほしいのは、
ピラティスそのものが悪いと決めつける必要はない、という点です。

膝の痛みが悪化したように感じるケースの多くは、
やり方の問題ではなく、
今の身体の状態と、取り組む順番が合っていない
ことによって起こります。

この記事では、
「膝が悪化した」と感じやすい人に共通する特徴を、
原因探しではなく、判断のための整理としてまとめていきます。

ピラティス後や翌日に膝の重さや痛みを感じて不安になっている様子

なぜ「膝が悪化した」と感じるのか

膝は日常動作や全身の使い方の影響を受けやすい荷重関節であることを示すイメージ

膝は、立つ・歩く・階段を上るといった
日常動作で常に負荷を受ける荷重関節です。

そのため、たとえ運動中の負荷が強くなくても、
身体全体で負荷を分散できない状態で動きを繰り返すと、
膝が代わりに頑張り続けてしまいます。

結果として、
「その場では問題なかったのに、後から痛む」
「翌日・翌々日に重さや違和感が残る」
といった反応が出やすくなります。

また、膝の痛みは
膝そのものだけで決まることは少なく、
股関節や足部、体幹の使い方の影響を強く受けます【文献③】。

ここで大切なのは、
「運動中に痛かったかどうか」だけでなく、
運動後の反応や経過を含めて判断することです。
この視点は、膝痛に関する臨床ガイドラインでも重視されています【文献①】。


膝の痛みが悪化しやすい人の特徴

以下に挙げるのは、
「悪化の原因」ではありません。
その状態で運動を進めると、判断を誤りやすい前提条件です。

① 膝だけで動きを成立させている

股関節や体幹が使えず膝ばかりに負担が集中している状態を表すイメージ

・立ち上がりやスクワットで膝ばかりが疲れる
・股関節やお尻を使っている感覚が分かりにくい
・動作中、膝に意識が集中してしまう

本来、膝は
股関節や足部と協調しながら
負荷を受け止める関節です。

この連携がうまくいかない状態では、
膝が動きの主役になり、
結果として負担が集中しやすくなります。


② 痛みを避けようとして動きが小さくなる

膝の痛みを避けようとして動作が小さくなり不自然な動きになっている状態のイメージ

・痛みが出ないよう、無意識に可動域を制限している
・片側だけで体重を逃がしている
・「怖さ」が先に立って動きが硬くなる

痛みへの警戒が強いと、
身体は安全を優先し、
一部の関節だけで動きを処理しようとします。

この状態が続くと、
使われる部位と使われない部位の差が広がり、
かえって膝への負担が増すことがあります【文献②】。


③ 「鍛えれば良くなる」と思い込みやすい

筋力を意識しすぎて膝に負担をかけながら動いている状態を表すイメージ

・筋力不足が原因だと感じている
・とにかく膝周りを強くしようとしている
・休むことに不安を感じる

筋力は大切な要素ですが、
順番を誤ると負担を増やすことがあります。

特に、
身体の使い方が整理されていない段階で
「強くする」ことを優先すると、
膝が支点になりやすくなります。


④ 反応の出方を判断材料にしていない

運動後や翌日の膝の反応を十分に意識せず続けてしまっている状態のイメージ

・翌日の痛みをあまり気にしていない
・「運動したから仕方ない」と流している
・回復にかかる時間を把握していない

膝は、
負荷に対する反応が遅れて出ることがあります。

運動後24〜48時間の反応は、
負荷量や順番が適切かどうかを考える
重要な判断材料になります【文献④】。


膝の症状は、「鍛える/休む」で即決しない

膝の症状では鍛えるか休むかをすぐに決めず判断が必要であることを示すイメージ

膝は荷重関節であり、
「鍛えた方がいい」「動かさない方がいい」
という二択で判断すると、誤りやすい関節です。

次のようなサインがある場合は、
自己判断で運動を続けるかどうかを決めず、
一度、状態を整理することが大切です。

  • 動作中に力が抜ける感じがある
  • 腫れや熱感が繰り返し出る
  • 安静時や夜間にも痛みが強い
  • 運動量を減らしても回復傾向が見られない

これらは診断を示すものではありませんが、
判断を慎重にするための重要な材料になります【文献①】。


続けてよい人/一度整理した方がよい人

運動後に膝が軽くなる場合と痛みが残る場合の違いを比較するイメージ

膝に痛みがあるからといって、
すぐに「続ける/やめる」を決める必要はありません。

判断の目安になるのは、
運動後の反応と回復の方向です。

続けてよい可能性が高いサイン

・運動後に違和感は出るが、翌日には軽くなる
・動きが少しずつ楽になっている
・「怖さ」より「余白」が増えている
・回復にかかる時間が短くなっている

一度整理した方がよいサイン

・回を重ねるほど痛みが強まる
・翌日・翌々日まで重さが残る
・膝をかばう動きが増えている
・痛みへの不安が強くなっている

後者に当てはまる場合、
必要なのはさらに頑張ることではなく、
順番と負荷の整理です。


これは形式の問題ではなく「判断の問題」

マットやマシンではなく膝の状態に合った判断が重要であることを示すイメージ

なお、膝の痛みは、
マットかマシンピラティスか、
グループかパーソナルか、
といった形式の違いよりも、今の身体の状態と負荷の順番が合っているかどうかに左右されるケースが多く見られます。

重要なのは、
今の身体の状態に対して、どの環境やサポートが必要か
という判断です。

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ここまで読んで、
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【文献①】
Kolasinski SL, et al.
2019 American College of Rheumatology/Arthritis Foundation Guideline for the Management of Osteoarthritis of the Knee.

【文献②】
Hart HF, et al.
Fear, catastrophizing, and knee pain.
British Journal of Sports Medicine.

【文献③】
Barton CJ, et al.
Kinetic chain influences on knee pain.
Sports Medicine.

【文献④】
Silbernagel KG, et al.
Load management and pain response.